
マイホーム購入は、多くの人にとって「人生で最も大きな買い物」。
しかし実際に購入を検討すると、「何から始めればいいの?」「契約までどれくらいかかるの?」と不安に感じる方も多いはずです。
この記事では、住宅見学から契約・引き渡しまでの流れを時系列で分かりやすく解説します。
不動産の専門のFP(ファイナンシャルプランナー)として、注意すべきポイントもあわせて紹介します。
🗓 住宅購入の全体スケジュール概要
一般的に、住宅購入の流れは以下の8ステップで進みます。
| ステップ | 内容 | 期間の目安 |
|---|---|---|
| ① 情報収集・予算決定 | 自分に合う予算・エリアを決める | 約1〜2か月 |
| ② 物件見学・比較 | 実際に内覧して候補を絞る | 約1〜2か月 |
| ③ 購入申込・住宅ローン事前審査 | 買いたい物件を決めて申込 | 数日〜1週間 |
| ④ 売買契約・重要事項説明 | 手付金の支払い・契約書締結 | 約1週間後 |
| ⑤ 住宅ローン本審査 | 銀行で正式な審査を受ける | 約1〜2週間 |
| ⑥ 決済・引き渡し | 代金支払い・鍵の受け渡し | 契約から1〜2か月後 |
| ⑦ 入居準備 | 引っ越し・各種手続き | 約1〜2週間 |
| ⑧ 住宅ローン控除・確定申告 | 翌年の確定申告 | 購入翌年2〜3月 |
平均すると、物件探し開始から引き渡しまで約3〜6か月程度が目安です。
① 情報収集・予算決定
まず行うべきは、「自分はいくらの家を買うのが適正か」を明確にすることです。
年収や自己資金だけで判断するのではなく、将来のライフプランを考慮して、無理のない返済計画を立てます。
💡 FPポイント
住宅ローンの返済額は「手取り月収の25%以内」が目安。
例:手取り月収30万円なら、月々の返済は7〜8万円が上限。
また、購入価格以外にかかる諸費用(物件価格の7〜10%程度)も忘れずに計算しましょう。
② 物件見学・比較検討
予算が決まったら、実際に物件を見学します。
写真や間取りだけでは分からないポイントが多く、現地を見ることで印象が大きく変わります。
チェックポイント
- 駅からの距離、坂、歩道の広さなど
- 周辺環境や施設(公園、スーパー、病院、学校など)
- 近隣の居住者(変な人はいないか)
- 採光・通風・騒音
- 管理状況(マンションの場合)
- リフォーム・修繕の必要性(中古住宅の場合)
💡 現場でのコツ
現地確認は昼だけでなく、夜など時間帯を変えてみると意外な発見があったりします。
③ 購入申込と住宅ローン事前審査
気に入った物件が見つかったら、「購入申込書」を提出します。
ここで希望価格や支払い条件を提示し、売主との交渉が始まります。
同時に行うのが住宅ローンの事前審査です。
勤務先・年収・借入状況などをもとに、金融機関が「融資可能か」を判断します。
🏦 注意ポイント
人気物件に価格交渉などをすると、後順位で満額申し込みをした人が優先される場合があるので注意が必要です。事前審査に通らないと契約が進められないため、早めの準備が大切。
仮審査は1〜3営業日で結果が出ます。
④ 売買契約の締結
売主と条件が合意したら、不動産売買契約を締結します。
この時点で「手付金(通常は物件価格の5%程度)」を支払います。
契約書には以下の内容が明記されます:
- 物件情報・価格・引き渡し日
- 手付金・違約金に関する取り決め
- 住宅ローン特約(融資否認時の解除条件)
📄 FPアドバイス
契約前に「ローン特約」がきちんと明記されているか確認を。
融資が通らなかった場合に手付金を失わずに済みます。
⑤ 住宅ローン本審査
契約後は、正式に住宅ローンの本審査を受けます。
金融機関が、物件の担保価値・本人の信用情報を精査します。
必要書類の例:
- 源泉徴収票・確定申告書
- 住民票・印鑑証明書
- 売買契約書写し
💡 ポイント
事前審査と異なり、「勤務先への在籍確認」や「信用情報機関の照会」が行われる場合があります。
その間はカードローンや新たな借入は厳禁です(その結果本審査がNGになった場合、ローン特約が無効になる可能性があります)。
⑥ 決済・引き渡し
ローン審査が通ると、いよいよ決済(残代金の支払い)です。
銀行や司法書士、売主、不動産会社が一堂に会し、以下の手続きが行われます:
- 残代金及び清算金(固定資産税や管理費等)の振込(住宅ローン実行)
- 仲介手数料や司法書士手数料の振込または現金払い
- 所有権移転登記の申請手続き
- 鍵の受け取り
この日が正式な「引き渡し日」=あなたがオーナーになる日です。
⑦ 引っ越し・住所変更などの手続き
引き渡し後は、いよいよ新居への入居準備。
引っ越し業者の手配や、電気・ガス・水道などの開栓手続きも忘れずに行いましょう。
主な手続き一覧
- 電気・ガス・水道の開栓手続き
- 家具家電等購入・搬入
- 引っ越し業者手配
- 住民票の移動(登記の関係で事前に移しておくことも有り)
- 各種住所変更手続き
⑧ 購入後の税金・控除手続き
翌年の確定申告では、住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)を申請します。
初年度は確定申告が必要ですが、2年目以降は年末調整でOKです。
🧾 住宅ローン控除の詳細はこちら↓
✨ まとめ|焦らず、計画的に進めることが成功のカギ
住宅購入は、「物件探し」と「手続き」が同時進行で進むため、最初は複雑に感じます。
しかし全体の流れを把握すれば、必要な準備やタイミングが明確になります。
✅ ポイントまとめ
- 情報収集〜引き渡しまで平均3〜6か月
- 契約前に「ローン特約」や「諸費用」を必ず確認
- FPに相談しながら無理のない返済計画を立てる
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