
マイホームを買うか、それとも賃貸を続けるか──。
このテーマは人生の大きな選択肢の一つです。
本記事では、35歳の家族世帯を想定し、85歳までの50年間で「賃貸」と「購入」それぞれの生涯コストを比較します。
さらに、賃貸が有利になるケースと、購入の資産的なメリットも併せて解説します。
想定条件
※ 購入は一戸建てを想定しています
※ 購入も賃貸も火災保険料は考慮していません
▶ 購入の場合
- 住宅価格:6,500万円
- 諸費用:物件価格の7%(455万円)
- 住宅ローン:フルローン、35年元利均等返済、固定金利2%
- 固定資産税・都市計画税:年間25万円
- 修繕費:10年ごとに200万円(計1,000万円/50年間)
▶ 賃貸の場合
- 家賃:月25万円
- 更新料:2年ごとに家賃1ヶ月分(25万円)
① 購入の生涯コスト試算
▶ 住宅ローン返済総額
6,500万円・金利2%・35年返済の場合:
月返済額:約21.5万円/総返済額:約9,043万円
▶ 固定資産税・修繕費・諸費用を加算
項目 | 金額(概算) |
---|---|
ローン返済総額 | 約9,043万円 |
購入諸費用 | 約455万円 |
固定資産税(25万円×50年) | 約1,250万円 |
修繕費(10年ごとに200万円×5回) | 約1,000万円 |
合計 | 約1億1,748万円 |
② 賃貸の生涯コスト試算
項目 | 金額(概算) |
---|---|
家賃(25万円×12ヶ月×50年) | 1億5,000万円 |
更新料(25万円×25回) | 約625万円 |
合計 | 約1億5,625万円 |
③ 賃貸と購入の比較結果
項目 | 購入 | 賃貸 |
---|---|---|
居住コスト合計 | 約1億1,748万円 | 約1億5,625万円 |
差額 | 約3,877万円(購入が安い) | ― |
35歳から85歳までの50年間で試算すると、
購入のほうが約3,877万円程度コストを抑えられる結果になりました。

④ 賃貸が有利になるケースもある
ただし、購入が常に得とは限りません。
以下のようなケースでは賃貸の方がコストを抑えられることもあります。
- ✅ 転勤や転職などで居住地が変わる可能性が高い
- ✅ 老後は小さな賃貸に住み替える予定がある
- ✅ いずれ実家に帰る予定がある
また、賃貸は「自由さ」「身軽さ」「メンテ不要」というライフスタイルの柔軟性も魅力です。
⑤ 購入の総コスト以外のメリット
購入には総コストを抑えられること以外のメリットもあります。
- ローン完済後(70歳時点以降)は、住居費が大幅に軽減される
- 高齢期に賃貸契約が難しくなる「入居審査リスク」を回避できる
- ローン返済中は団体信用生命保険がつくため、万が一の際には家族に無借金のマイホームが残る
- 資産としての家が残る
まとめ
観点 | 購入 | 賃貸 |
---|---|---|
初期費用 | 高い(諸費用・頭金) | 低い |
総コスト(85歳まで) | 約1億1,748万円 | 約1億5,625万円 |
老後の負担 | 少ない | 家賃が継続 |
柔軟性 | 低い | 高い |
資産性 | あり | なし |
✅ 結論
- 長期的には「購入の方が約4,000万円ほど有利」になる試算
- ただし、住み替えの自由さやリスク回避を重視するなら賃貸が合理的
- 結局、ライフスタイルや設定条件により大きく異なるので最適解は貴方次第!
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