【知らないと損】不動産広告の裏側|おとり広告・囲い込み・レインズまで徹底解説

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マイホームを探すとき、多くの人が最初に見るのは「不動産広告」。
多くの人はSUUMO、ホームズ、アットホームなどのポータルサイトで物件を検索しながら、気に入った物件があれば問い合わせをして内見にいく方も多いのではないでしょうか。

本記事では、

  • 不動産広告の基本ルール
  • おとり広告とは
  • 不動産会社による物件の囲い込み
  • 多くの人が使うポータルサイトの特徴
  • 不動産業者しか閲覧できない「レインズ」とは?

について、分かりやすく解説します。


1. 不動産広告にはルールがある

不動産広告は自由に表現して良いわけではなく、宅建業法及び不動産の表示に関する公正競争規約のルールに従わなければなりません。

たとえば以下のようなルールがあります。

  • 誇大広告(実際より良く見せる)は禁止
  • 徒歩時間の基準::徒歩時間は、道路距離80メートルにつき1分として算出し、端数は切り上げる必要があります。
  • 新築の定義::「新築」と表示できるのは、建築後1年未満で未入居の物件のみです。
  • 禁止用語:「最高」「格安」「完全・完璧」「絶対」「日本一」「厳選・特選」など

このルールに従っていない広告はほとんど見ないですが、中にはルールを守らない会社もあるので、見方を知っておくことでトラブルを防ぐことができます。


2. 徒歩分数は「80m=1分」で計算されている

不動産広告でよく目にする「駅徒歩〇分」という表記。
実際に歩いてみると「もっと遠い」と感じる人も多いのではないでしょうか?

「誇大広告か?」と思うかもしれませんが、不動産広告のルールにしたがっていても、実際と違うことはよくあります。

その理由として以下のような事情があります。

  • 信号待ち・坂道・階段、歩道橋の有無は考慮しない
  • (地図上の距離÷80m)で計算している
  • 端数は切り上げなので、徒歩11分と12分の差はわずか数メートル

例)駅から850mの物件
850m ÷ 80m = 10.625 → 徒歩11分(切り上げ)

徒歩分数は“実際の所要分数と必ずしも一致しない”こともあるので、実際に自分の足で歩いてみる方がよいでしょう。


3. 気をつけたい「おとり広告」|実際には存在しない魅力的な物件

不動産業界では長年問題となっているのが 「おとり広告」 です。

●おとり広告とは?

  • 実際には募集していない“架空の物件”を掲載
  • すでに成約済なのに、あえて掲載し続けるケース
  • 来店させて別の物件を案内するための誘導目的

これらは明確な違法行為ですが、残念ながらゼロではありません。

もし、問い合わせた際に「ご案内可能です!」と言われてお店に行ったら、

「あ、その物件は申込入ってしまいましたので、似た物件を紹介します」

と言われた場合は、おとり広告かも。

とはいえ、実際に別の人が申込を入れてしまったケースもあるので、信頼できる不動産会社がいたら相談しましょう。


4. 「物件の囲い込み」とは?

不動産売買で注意したいのが 囲い込み という行為です。

●囲い込みとは?

自社が売却を依頼された物件について、売り手と買い手の両方から仲介手数料を得るために、他の不動産会社からの問い合わせや申込を断ってしまうことをいいます。

囲い込みが起きると、

  • 買主側の不動産会社には情報公開されず、物件が市場に出回らない
  • その為、売主は本来もっと高く売れるチャンスを逃す

という不利益が発生します。

残念ながら、現在でも一部では囲い込みが行われています。


5. 物件探しは「ポータルサイト」が中心(SUUMO / ホームズ / アットホーム)

今や多くの人が不動産を探すときに利用するのは、

  • SUUMO(スーモ)
  • LIFULL HOME’S(ホームズ)
  • アットホーム

といったポータルサイトです。

これらのサイトの特徴

  • 掲載数が多く比較しやすい
  • 写真や動画が豊富でイメージしやすい
  • 同じ物件の掲載が複数あることも(同じ物件が10件以上あることも)
  • 条件検索が細かく設定できる
  • 一般ユーザーでも無料で利用可能
  • おとり広告や囲い込み物件も掲載されている

6. 不動産会社だけが使える「レインズ」とは?

一般の人が見られない情報として REINS(レインズ) というシステムがあります。

●レインズとは?

国土交通大臣が指定した不動産流通機構が運営する不動産会社専用の情報共有システムです。

不動産会社が売却を依頼された物件(専任媒介・専属専任媒介)は、一定期間以内にレインズへ登録することが義務付けられています(一般媒介は登録義務なし)。

前述の「囲い込み」を無くすために、不動産会社に売却の依頼(専任・専属)をした売主は、レインズで「不動産の取引状況」を確認することができるようになりました。

※ 2025年1月1日以降に虚偽の取引申込情報の登録など「囲い込み」につながる行為が確認された宅建業者は是正指示処分の対象となります

レインズには、

  • 最新の売却情報
  • 成約価格
  • 過去の取引履歴
  • 図面や詳細資料

などの情報を閲覧できて、ここに掲載されている物件なら不動産会社は日本全国どの物件でも仲介することが可能です。


まとめ

不動産探しでは、広告や業界の仕組みを理解することも大切です。

不動産業界も徐々にDX化が進んでいますが、まだまだ業者間の連絡はFAXが主流ですし、昔からの慣習も根強く残っている業界です。

これらを知っておくことで、より正確に物件情報を判断でき、理想の住まいに出会う確率が高まります。

不動産は大きな買い物だからこそ、“情報を知ること” が最強の武器になります。